PRESIDENT理事長紹介

心駆け出す、変革を

もしJCに入っていなかったら、どんな人生を歩んでいたのだろうか。

きっと、今とは全く違った人生になっていたでしょう。

私の人生は、間違いなくJCによって変わりました。

JCメンバーとして送ってきたこれまでの生活で確信できたこと、それはここで得られるす べての機会は、あらゆることを変えられる力を持っているということです。 私は、2015年に入会してから、毎年できるだけ多くの機会を掴みたいと考え続けていま した。もちろん、JCには到底ひとりではこなしえないほどの機会が提供されており、私の できる範囲で取り組んできたにすぎません。しかし、なぜ機会を掴みたいと考えたかとい えば、JCにおける機会はどのような機会であっても、必ず何かを変える力があるという期 待があるからでした。その期待を与えてくれたのは、私をここまで導いてくださった諸先 輩方であり、いまここにいるJCI浜松のメンバーです。そして、その期待はいつしか確信 に変わりました。
入会前の私は、人前で話をすることもままならず、社会のしきたりさえも知らない、今思 えば未熟極まりない若輩者でした。現に、入会オリエンテーションにて課された3分間ス ピーチでは、緊張で頭が真っ白になり、ろれつも回らず、ほとんどまともに話すことすら できませんでした。ましてや、JCに入るまでの人生で、何かのリーダーをするといった経 験もなく、いわゆる、ちょっと抜けた変な奴であったのです。 だからでしょうか、2017年に立候補した理事選挙において、私はメンバーの支持を集め ることができず、当選することができませんでした。きっと、当時のメンバーの皆様は、 私の未熟なところを見抜き、理事を務めるには努力が足りないと思われたのかもしれませ ん。
そんな私を、先輩方はあきらめずに、見捨てずに機会を提供しつづけてくれました。もち ろん諦めそうになったり腐りそうになったりすることもありましたが、入会以来途切れる ことのないサポートのおかげで、今の私があります。毎年、お世話になった方に成長した 点についてお褒めいただいたり、一緒に歯を食いしばってがんばったメンバーに「成長さ せてもらいました」と感謝をいただいたり、一緒に運動をつくったパートナーから成果に ついての喜びの声をいただいたりするたびに、JCの「変える力」への確信を強めてきまし た。
そして、私自身、メンバーに、JCI浜松に、そしてこの街にさらに多くの機会を提供したい、 そしてその力を最大化するには何ができるだろうかと考えるようになりました。このよう な考えに変わることができたということ自体、私が入会した当初は予想していなかったこ とです。
では、JCのもつ変える力とは何でしょうか。
私は、次のように考えています。
自分の人生を変えることができます JCで身につけることができるものは、スキル・経験・人脈等様々です。学校やセミナーな どで見られる特定のカリキュラムに沿ったものではなく、機会をとらえ運動を遂行する中 で自らが考え、試行錯誤し、時には仲間と激論を交わしながら得る価値は、なにものにも 代えがたいものとなります。また、このような機会はそれぞれの人生やスキルに関わらず、 誰にとっても価値のあるものです。しかしその一方で、この価値をすべてのメンバーが活 かせているわけではないのもまた事実です。JCの持つ価値をすべてのメンバーが得られる ような仕組みづくりが必要です。
誰かの人生を変えることができます
JCの運動は、ひとりきりで行うことは決してありません。必ずチームが構成され、その立 場がリーダーであろうと、フォロアーであろうと、先輩であろうと、後輩であろうと、そ れぞれが本気で運動に向き合うなかで、互いに成長をさせあうことができます。JCは機会 を提供したり、補いあったり、ときには懇親を深めるなかで自分以外の誰かの成長を図る ことがすべてのメンバーに期待されている団体であり、我々はその結果として自分だけで なくほかの誰かの成長を喜ぶことができます。そして、この街にひとりでも多く成長した 青年を増やすことができれば、この街の未来は明るいものとなるでしょう。我々はそのた めにも、より多くの青年を成長させ、その人生を変える場を提供しなければなりません。 地域の未来を変えることができます
JCI浜松は、70年を超える歴史のなかで、地域に大きな影響をもたらしてきました。もし JCI浜松がなければ、浜松の今は大きく違ったものだったことは想像に難くありません。2 度にわたるJCI日本全国大会の主管や、旗艦事業であったはままつ少年の船をはじめとし て、私たちはこの地域に大きな貢献をし、確実に地域の未来を変えてきました。しかし、 ここ十数年の情報技術の変化、経済の変化、社会の変化、価値観の多様化のなかで、単一 の事業ですべての市民、まち全体に影響を及ぼすことが難しくなっているのもまた事実で す。我々は、これまでの手法にこだわることなく地域の未来を変えるためには何が必要か 調査研究し、時代に即した運動を起こす必要があります。
我々自身の未来を変えることができます
JCは完全自主運営の団体であり、組織の在り方や向かうべき方向性も含めて、我々自身で 選び取ることができます。定款や諸規則、公益法人格についても我々自身の決断で変えて いくことも可能です。時代が変化するなかで、どのような組織の在り方が望まれるのか、 またどのような組織が運動を最も効果的に起こすことができるのかというのは大きく異 なってきます。我々は、慣習や前例に囚われることなく、最も時代に即したあり方に変 わっていく必要があります。
この力を活かさない手はありません。
自分と、隣の誰かと、地域と仲間を前向きに変えていく。 これほどワクワクするものもないでしょう。 一緒に、この力を楽しみましょう。

そして、心駆け出す変革を、ともに起こしましょう。

公益社団法人浜松青年会議所
第73期理事長  内山 瑛

組織を変え、可能性を広げる

JCI浜松は多様性に富んだ組織であります。メンバーの考え方は多種多様であり、これまで歩んできた人生も、今後の人生の目的や目標も、家族の在り様も、どんな仕事をしているかも、JCにどんな向き合い方をするかも、様々です。JCは、他の団体のように、特定の社 会課題に取り組むための団体ではなく、包括的に社会をよりよくしていく団体であるがゆ えに、他の組織にはないこの多様性を維持することができており、この強みは運動の力に なっています。その一方で、JCI浜松は同質性の高い組織でもあります。男性の比率が高く、 中小企業の経営者や個人事業主が多くを占めます。
私たちは、今ある多様性をさらに高めていき、これまで同質的であった部分については、 多様性のあるものに変えていく必要があります。そして、一人でも多くの青年との接点を つくりだし、JCの理念に共感する青年に1日でも早く機会を提供する場を整えることに よってより活力ある組織をつくりだすことで、インパクトのある運動を持続させていくこ とができるのです。JCの理念に共感するすべての青年が最大限活躍できる組織へと変革す るために、ひとりでも多くの青年と一緒に浜松をよりよくするための組織づくりを行って いきましょう。

行動範囲を変え、新たな可能性を獲得する

浜松は、世界に名だたる企業が多く所在する都市であり、国際的にも一定の知名度がある といえるでしょう。浜松市においても、第2次浜松市国際戦略プランが策定され、そのな かにも、「民間交流を重視した都市外交の推進」が明記されているところではありますが、 昨今の感染症の状況等によりこれまで同様の交流が十分になされているとはいいがたい状 況でもあります。反面、JCIは13万人を超える青年の国際的なグローバルネットワーク団 体であり、そのネットワークの可能性は、JC以外の青年団体には存在しないものでありま す。JCI浜松は、2020年第2回通常総会においてLOM全体でASPAC誘致に向けた運動を 行っていくことが審議可決され、今後間違いなく国際の機会をとらえていくことのできる LOMです。JCIという組織の強みを十全に活かし、海外の青年会議所との連携や共同事業 などを通じ、我々自身が浜松の国際民間交流の担い手になるとともに、市民にその成果を 還元していきましょう。

私たちから変革を実践し、地域に伝播させていく

JCは地域の多くの方々から経済団体であると認知されています。その点に関して同意する方も違和感のある方もおられるかと思いますが、私たちは、それぞれの仕事における立ち位置こそ違っていても、間違いなく地域経済の中核を担う青年経済人であります。つまり、浜松経済の中核である私たちから仕事の仕方を変えていくことによって、浜松市民の仕事の在り方に影響を及ぼすことができるのです。 浜松市は、日本総合研究所が発表する、全国20政令指定都市の幸福度ランキングにおいて、2018年に第1位、2020年に第2位という好成績を収めました。しかしながら、個別項目においてはいくつかの課題があり、特に経済分野においては、一人あたり市民所得や労働生産性、事業所新設数に大きな課題があります。 一方、新型コロナウィルスは、社会の変化を10年以上加速させたともいわれ、諸外国や都市部においては、テレワークの推進をはじめとして、誰でも仕事で活躍できるようにマネジメントを行っていくことがあたりまえになりつつあります。浜松においては、新型コロナウィルスによる外出自粛時には一時収まっていた通勤時の交通渋滞もまた元に戻りつつあるなど、このままではビジネスの仕方を変える契機を逃してしまう可能性もあるでしょう。 私たちが青年経済人として浜松の企業のあるべき姿を提案し、実践し、推進をしていくことが、浜松を我が国の経済先進地域に押し上げる前提となるでしょう。

ネットワークの範囲を変え、まちの潜在力を高める

浜松においても、全国の多くの都市の例に漏れず、人口減少が大きな課題となっております。特に、浜松特有の課題として、10歳代後半の大幅な転出超過があげられます。これまでも、20代~30代において大幅な転入超過があったものの、自然減が今後も常態化するであろう浜松においてはすぐにでも対応しなければならない課題となっています。 しかしながら、10歳代転出の流れをすぐに止めることは難しいでしょう。逆に、日本中に浜松出身の若者が多くいるということ活かして、この浜松から出ていく若者にアプローチをすることが必要ではないでしょうか。浜松から出ていったとしても、浜松のことを想う若者は多くいるはずです。私たちがネットワークをつくり、浜松にいつか戻ってきたいと思う若者や、浜松を離れても浜松のために貢献したいと思っている若者に地域とのつながりと活躍の場を与えていくことが必要です。 また、私たちは2022年にNEXT LOCAL LEADERS浜松という事業を開始しました。この事業は、浜松で活躍する若者に力を与え、さらにその若者たちのネットワークをつくるという各方面から高く評価された事業で、ここで作り上げたネットワークをまちの資産としていく必要があります。浜松で活躍する若者と浜松から出ても想いを残す若者とのネットワークを構築強化して参りましょう。

関係性を強化し、新たな知見を取り入れ変革を

2023年度は、ブロック会長を輩出し、静岡ブロック協議会を主管させていただく年になります。また同時に、わんぱく相撲静岡県大会浜松場所を主管させていただく年でもあります。この主管の機会をいただけるのも、2008年全国大会、2011年東海地区協議会、2015年JC青年の船「とうかい号」、2019年東海地区主管をはじめとして、創立以来先輩諸氏が築き上げてこられたJCI浜松への信頼あってこそであります。私たちはその信頼に応え、未来のメンバーのためにもその信頼を繋いでいく必要があります。また、主管はフォロワーシップを発揮する絶好の機会であり、多くのLOMと交流し、意見交換をすることによって先進的な取り組みを学習する機会ともなります。それぞれの運動の趣旨を理解し、伴走することによってLOM同士の関係をさらに強化することにつながり、新たな知見を得ながら自らの運動も変革させていくことによって、未来の私たちの運動の成果を最大化することにつながるのです。

育成の仕組みを変え、メンタリングの仕組みをつくる

ここ数年、平均在籍年数が短くなり、ひと昔のように、経験豊富なメンバーが自主的にメンバー育成を行うことは期待しづらくなっており、委員会運営においても委員長・スタッフが壁にぶつかっても委員会内に頼れる人がいない、といった悩みを多く聞くようになりました。メンバーに十分な機会を提供し、JCの理念を浸透させ、委員会運営を健全に行うためには、各委員会の経験豊富なメンバーが相互に情報交換を行うとともに、メンバーの研鑽の機会を創出することが必要です。各委員会において、経験豊富なメンバーがその力量を最大限発揮することにより、各委員会における運動の展開や入会間もないメンバーの育成を効率よく行うことができるようにし、属人的な委員会運営の仕組みからの脱却を図って参ります。

時代に即した組織に変革する

JCは運動そのものだけでは成り立ちません。いままで述べてきたすべての運動の効果を最大化し、メンバーの機会を最大化するためには、組織基盤の強化が必要不可欠です。また同時に組織やメンバーを守り安心してJCに取り組める環境をつくることも必要です。これを達成するためには、組織の自由度を高めつつ理念の浸透を図り、明確な基準で適時な審査を行うことが必要です。 まずは、私たちの運動を適時適切に発信し、ブランディングを高めることと、発信時のコンプライアンスやブランドイメージを守るために、ブランディング審査会議を開催します。合わせて各種SNS等を利用しての対外発信によるブランドイメ―ジの向上や、対内発信による事業参画の向上を図るとともに、JCI及びJCI日本において提供される様々な機会の推進を行うことで、メンバーの機会の最大化を図って参ります。 また、メンバーの会費やパートナーからの協賛金を中心に運営されているJCI浜松の会計において、適時適切な管理を行い、徹底的な費用対効果の管理の下に執行をするため、財務コンプライアンス会議を開催します。メンバーやパートナーに対しての執行責任と説明責任を十分に果たすための財務管理とコンプライアンス管理を行って参ります。また、JCI浜松が公益社団法人格を取得してからおよそ12年が経過し、取得時の状況とは種々異なることも多く、一度検証をすべき時期であると考えます。取得当初の趣旨を達成できているのか、他団体や他LOMの事例等を勘案のうえ、持続可能なLOM運営を行い、運動を最大化するために最適な法人格を選択する必要があります。 そして、総会や理事会をはじめとした諸会議の運営をはじめとしたLOMの運営についても、時代に即した方法を絶えず調査研究し、運動の効果を最大化するために必要な方法を取り入れて参ります。 一年という期間は非常に短いです。 誰にでも平等に与えられた人生における貴重なこの一年間、せっかく使うなら、JCの「変える力」を最大限活用し、最大限前向きな変化を起こしましょう。 地域のために、仲間のために、自分のために 心駆け出すような、そんな変革を起こしましょう。